すでに来季に向けた自主トレを始めている上原浩治投手=東京都内(田中充撮影)【拡大】
来季だけでなく、2年後のシーズンもメジャーでプレーできることがきまった。日本でも報道されている通り、レッドソックスと来季から2年契約を結んだ。
来年4月には40歳になる。この年になると、球団側も将来の活躍が読みづらく、単年契約の打診が予想された。私としては「一年でも長く、メジャーで野球をしたい」という思いが強い。交渉を委ねた代理人には、「できれば複数年契約」と希望を伝えていた。合意については、代理人と球団に感謝の気持ちでいっぱいだ。
メジャーに挑戦したのはプロ11年目、33歳のときだった。渡米するとき、何とか5年はプレーしたいと思った。2013年シーズンが節目の5年目。このとき、ワールドシリーズ制覇という悲願も達成できた。14年からは次のステージに向かった。まさに一年、一年が勝負。マイナーには、自分より若い有望株がそれこそ1チームに数百人といる。戦力として必要ないと判断された瞬間、解雇の世界だ。その中で、一年でも長くと現役にこだわる気持ちが強くなった。
11月中旬に帰国した。練習の合間を縫ってだが、テレビなどメディアの出演依頼が届くのはうれしい限りだ。これも、現役だからこその誘いだと思っている。「現役でいるうちが華」。巨人時代の先輩たちがユニホームを脱いだ後に口にする言葉の重みも実感する。