カメラドールを受賞後、すぐさまフィリピンのさまざまな報道機関が「メイドのモデルは誰か」と関心を寄せ、チェン監督に連絡先を尋ねてきた。すでにフィリピンに帰国していた彼女とは16年間も音信不通となっていた。「報道機関には彼女と一緒に写った写真を2枚託し、彼女の名前と、イロイロ州出身であることだけを伝えました」。2週間後、奇跡的に居所が判明し、チェン監督は昨年8月、イロイロ州で再会、シンガポールプレミアに招待した。「この映画には、大いに笑わせてもらったし、泣かされもしたわ」。彼女はチェン監督にうれしそうに感想を伝えたという。12月13日から東京・K’s cinemaほかで順次公開。(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS)
■ANTHONY CHEN 1984年4月18日、シンガポール生まれ。義安理工学院で映画を学ぶ。その後、英国の国立テレビ学校で映画技術に磨きをかけ、2010年に卒業。その間に多くの短編を制作し、カンヌやベルリン国際映画祭に出品した。13年、長編デビュー作「イロイロ ぬくもりの記憶」はカンヌでカメラドールを受賞したほか、台湾金馬奨でも作品賞含む4部門を受賞。