「北極圏の玄関口」「世界最北の街」などと呼ばれるノルウェー・スバルバル諸島ロングイヤービエンの空港ビル前にある、世界主要都市への距離を記した標識。その下には、シロクマ注意の警告もあった=2014年10月19日(内藤泰朗撮影)【拡大】
「北極の玄関」と呼ばれる北欧ノルウェーのスバルバル諸島は、白銀の世界だった。ロンドンから飛行機でオスロを経由し北へ向かうこと約7時間。訪問したのは10月中旬なのに、滑走路に降り立つと、まぶたが凍ってくっついた。
「世界最北の街」として知られるロングイヤービエンは、バレンツ海に浮かぶスバルバル諸島を形成するスピッツベルゲン島の中心都市だ。
人口わずか2200の街を揺るがしているのが、中心地からも見える山地だった。広さはJR山手線の内側の面積の3倍余り。今春に売りに出され、中国の大富豪、黄怒波氏が関心を示しているとノルウェーのメディアが報じたのがきっかけだった。
黄氏はアイスランドで土地の取得を進めたが、外国人の土地所有を制限する法律が施行されたのを受け、昨年に断念。今夏には、ノルウェー北部トロムセ近郊で約400万ドル(約4億6000万円)で土地購入契約を締結。さらに、スバルバル諸島の土地取得を目指しているともいわれる。