「北極圏の玄関口」「世界最北の街」などと呼ばれるノルウェー・スバルバル諸島ロングイヤービエンの空港ビル前にある、世界主要都市への距離を記した標識。その下には、シロクマ注意の警告もあった=2014年10月19日(内藤泰朗撮影)【拡大】
中国当局は今年、スバルバル諸島でオーロラ観測の大型レーダー建設の承認を求めていたが、ノルウェー政府は9月に許可しない意向を伝えた。理由は明かしていないが、専門家らは「レーダーは偵察衛星からの軍事機密情報の収集など、科学調査とは別な目的に使われる危険がある。過去にも使われた。国はリスクを避けることにしたのではないか」と指摘した。
スバルバル諸島には、オーロラ観測用レーダー2基のほか、気象や資源探査、地形などさまざまなデータを人工衛星から受信するレーダー基地(スバルサット)がある。24時間リアルタイムで、大容量のデータを送受信できる設備を備えた北極圏で唯一の場所だという。顧客には、米航空宇宙局(NASA)や日本など各国政府のほか、米軍やノルウェー軍もいる。「インテリジェンスの集積地」といっても過言ではない。
さらに、スバルバル諸島は1920年締結の国際条約により、締結国の国民に対して自由で平等な経済活動を保障している。中国も後から条約を締結しており、ノルウェーはアイスランドのような対応はできない。
それでも、ノルウェーのある外交官は「スバルバル諸島はノルウェー領。何でも自分たちの思うようにできると思うのは大間違いだ」と強調した。