日本代表は協会に年間約55億円もの協賛金などの収入をもたらす「看板」。スポンサーに近い関係者は「ここまで手を打たないのはどうか。疑惑をかけられている時点で何か手を打たないといけなかった」と協会の対応の遅さを指摘した。J1クラブの社長からも「(監督は)もうもたないだろう」との声が漏れた。
免れた降格
スペイン検察当局が告発した事件の構図はこうだ。2010~11年シーズンの5月21日の最終節は、2部に降格する残り1枠をめぐり、13~18位の6クラブが勝ち点2差の間にひしめいていた。アギーレ監督が率いていたサラゴサは降格圏の18位に沈み、12位で既に残留が確定したレバンテとのアウェー戦を残していた。
サラゴサのイグレシアス会長ら幹部とアギーレ監督、選手は試合の結果を操作することで合意し、レバンテの選手に支払う96万5000ユーロ(約1億4000万円)を用立てた。一度は「ボーナス」と見せかけてサラゴサの選手らの口座に振り込み、そこで「現金化」して相手選手に渡るようにした。