自身も経験?
パルドン? 過去に何があったのか、恐る恐る確認してみると、ルコント監督は“裏帳簿”に記した恋愛遍歴にモザイクをかけながら、とうとうとその一端を開陳し始めた。「僕はよく隠れて女性を愛してしまうタイプなんです。決して誰にも打ち明けません。秘めた恋は僕に生きる力を与えてくれるんですよ。あるとき、ものすごく好きになってしまった女性に告白しないまま、終わりを迎えたことがありました。もし僕が女性に好意を伝えてしまえば、お互いの生活がグチャグチャに壊れてしまう可能性があって、結局、僕は告白を断念したんです。だからといって欲求不満に陥ることはなかったし、僕の心は『愛している』という温かな感情でいつまでも満たされていました」
また、心に秘めた恋愛対象のうち、何人かは自分の映画に出演した女優だったことも明かし、「僕の恋愛感情が映画作品にプラスになったことは間違いありません」と胸を張った。物腰の柔らかいフランス紳士が、この道40年、「恋愛映画の名匠」とうたわれる仕事師のすごみをのぞかせた。12月20日から東京・シネスイッチ銀座ほかで全国順次公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:栗橋隆悦/SANKEI EXPRESS)