STAP細胞の有無を調べてきた理化学研究所は19日、小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究員(31)が検証実験でSTAP細胞を作れず、論文の内容を再現できなかったと発表した。細胞の存在を事実上、否定する結果となり、理研は来春まで続ける予定だった検証実験を打ち切った。小保方氏は12月21日付の退職願を提出し、受理された。
会見した実験総括責任者の相沢慎一特任顧問は「論文の手法で作製できるSTAP細胞はなかった。これ以上の検討は検証実験の範疇(はんちゅう)を超える」と述べた。
小保方氏は「このような結果にとどまってしまったことに大変困惑している」とのコメントを出した。
理研はSTAP細胞の有無に決着をつけるため、小保方氏自身による検証実験を7月に許可。小保方氏は9月中旬から2カ月半、論文(撤回済み)と同じ手法で作製に取り組み、期限の11月末に終了した。
実験では万能性の目安となる遺伝子が働くと、細胞が緑色に光るように遺伝子操作したマウスを使用。白血球の一種であるリンパ球を採取し、弱酸性の溶液に浸してSTAP細胞の作製を試みた。