STAP細胞は新型万能細胞として脚光を浴びたが、発表直後から多くの疑惑が浮上。論文は既に撤回され、科学的な根拠は失われている。しかし小保方氏は4月の会見で「STAP細胞はあります」と強調し、その後も細胞の存在を主張してきた。
他の研究者から作製できたとの報告はなく、その存在は疑問視されてきたが、存在しないことを科学的に証明するのは難しい。理研が当初認めなかった小保方氏の検証実験を許可したのは、「本人が作製できなかったら、できないという結論になる」(竹市雅俊・前研究センター長)との見通しがあったからだ。
検証実験の打ち切りは当然だ。ただ、これで問題が解決したわけではない。STAP細胞が存在しないのなら、なぜ万能細胞の証拠となる写真などを論文に記載できたのか。細胞の正体は胚性幹細胞(ES細胞)との疑いが強まっており、真相究明が不可欠だ。