そこからよみがえるべく街は修復された。そのため街並みは新しく、統一されている。ダーウィン港では1960年頃まで戦禍の跡が色濃く残っていて、満潮時でも空襲によって沈められた船の残骸は水面に浮き出て、爆破された桟橋もそのまま放置されていた。沈没船が船の航行を妨げるということから、州政府が引き揚げを計画したが、ダーウィン港の潮の速さと低い透明度のため困難を極めた。
そこで、引き揚げを可能にしたのが当時、高いサルベージ技術を有していた藤田柳吾(りゅうご)氏の「藤田サルベージ」だった。こうした貢献が功を奏したことや、勤勉な働き方や礼儀正しさが受け入れられ、当初あまり芳しくなかった対日感情は徐々に改善し、友好的な関係が築かれていったという。
≪ダイナミックな自然堪能≫
ダーウィン周辺の自然を堪能できるのが街から車で約1時間の「リッチフィールド国立公園」だ。道中、野生のワラビーに遭遇し、道路脇の岩に見えるアリ塚に目を奪われるなどした。