新作「KODAMA」は、日本の民謡とフランスの実験性がミックスされた意欲作。津軽じょんがら節やソーラン節、そしてアイヌの音楽までを題材にし、強烈なアレンジと斬新な歌の解釈で、伝統音楽に新しい価値観を与えることに成功している。一歩間違えるとダサくなってしまう手法ではあるが、絶妙なバランス感覚がとにかく見事だ。
14歳から宅録
もう一人は、マイカ・ルブテ。フランス人の父と日本人の母の間に生まれ、14歳で宅録を始めたという早熟なシンガー・ソングライターだ。2012年にギタリストとのデュオ・ユニットであるEAとしてデビューを果たし、クラウドファウンディングで資金を調達して初のソロ・アルバム「100」を完成させた。
キーボードを主体に演奏を行うが、奏でられる音楽自体はどこか80年代を彷彿させるキュートなエレクトロ・ポップ。コーネリアスやsalyu×salyuなどとも共演してきたといえば、独自の世界観を持っていることも想像が付くだろう。日本語がメーンだが、英語やフランス語を駆使した楽曲制作もできるので、インターナショナルな活動にも期待したい。(栗本斉/SANKEI EXPRESS)