「何か怪しい場所」
しかし、ソ連崩壊とともにその運命は暗転する。敷地内の土地は無秩序に貸し出されるようになり、いつしか焼き肉などを売るボックス型の小さな店舗がひしめき合うようになっていた。各共和国の建物の中ですら、薬屋や土産物店など雑多な店舗が乱立した。いつしか人々の足は遠のき、“何か怪しい場所”というイメージがまとわりつくようになっていった。
その状況が大きく変化したのは今年春のこと。モスクワ市が主導し、ソ連崩壊後に変更されていた運営会社の名称を再び「ベーデンハー」に戻し、違法な店舗を一掃する計画が打ち出された。運営会社は、ベーデンハーを「子供から老人まで、さまざまな人を引きつける複合的な機能を持った空間」にするとの方針を打ち出し、まず実現したのが今回の巨大スケート場の設置だ。