「もともと僕は人を笑わせる人間。僕の資質にちょっとだけ演技を加味すれば人物造けいができると考えていました」と若気の至りを吐露したオマール・シーさん=2014年10月25日、東京都港区(三尾郁恵撮影)【拡大】
その後、多くの映画人が投票で受賞者を選ぶセザール賞で自分に主演男優賞を与えてくれたとなれば、シーはもっと胸を張っていいと思えてならなかった。「自信が持てなければ、サンバを演じようという気持ちも起きなかったでしょう。サンバのせりふやたたずまいには、何らかのニュアンスが伴います。繊細で複雑な心理描写が要求されるのです。また、サンバは自分の資質と大いに異なる人物でした。僕が逆境に置かれた場合、果たしてサンバのように笑っていられるだろうか、精神的にタフでいられるだろうか-と考えましたしね」
激変した生活環境
「最強のふたり」の大ヒットで生活環境が一変、フランス国内にとどまらず、プロモーションで世界を飛び回るようになった。ハリウッド進出を果たしたことで、苦手の英語を話す機会が格段に多くなり、英会話の勉強時間も増えていった。あまりの生活の激変ぶりに、オマールがアリスのように燃え尽きてしまわないかと、心配する声もちらほら出てきた。「コメディアンとして過去にそんな時期もありましたよ。