第2に、「敵」の存在で団結する歴史的な国民心理と、それをかき立てる国営・政府系メディアのプロパガンダ(政治宣伝)がある。国民多数派の目に、プーチン氏は問題の源でなく、解決のために頼れる無二の存在と映っているのだ。
第3に、1991年のソ連崩壊とそれに続く困窮やハイパー・インフレ、98年のロシア金融危機といった激動を経験した国民にとって、現状の方がはるかにマシだと考えられていることがある。
しかし、90年代の危機と大きく異なるのは、現在のロシアではまがりなりにも市場経済が根付き、都市部の住民が消費文化を謳歌してきたということだ。
「高くついたクリミア」
プーチン氏は前回大統領期の2000~~08年、「ソーセージを約束するから自由は我慢せよ」との“暗黙の合意”を国民と結んだと評される。国際資源価格の高騰に支えられ、政権は強権統治の一方で年平均7%の高度成長を達成した。