南半球の冬の時期、それも6月後半から7月初めまでのかなり短い期間、ミンキーたちはGBRの「リボンリーフNo.10」という海域で、かなり高確率で遭遇できる。
ただし、水中遭遇可能なのは、グレートバリアリーフ・マリーンパーク・オーソリティー(GBRMPA)より特別な許可を得たダイビングクルーズ船のみ。その船には、シーズン中ジェームスクック大学(クイーンズランド州タウンズビル)に本部のあるミンキーホエールプロジェクトのボランティアスタッフが乗船して、遭遇したミンキーの個体識別調査などを行うほか、乗客たちが、しっかりルールに沿ってスイミングを行っているかを監視する役目も担っている。
≪研究者とダイバー 理想的な協力体制≫
通常、こうしたリサーチと一般観光客(ここではダイバー)とは一線を画すことが多いのだが、ここではリサーチャー(研究者)とオペレーター(ダイビング事業者)が協力体制を取っていることに興味が湧いた。
ボランティアのリサーチャーは、大学の学生、しかも女性がほとんどで、彼女たちは「ミンキーガール」と呼ばれ、親しまれていた。