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【アラスカの大地から】清冽な流れ 黒く染めるサケの大群 (1/3ページ)

2014.12.13 10:25

サケで黒く染まった川。その正体であるピンクサーモンはわずか2年の一生を終えようとしている=米アラスカ州(松本紀生さん撮影)

サケで黒く染まった川。その正体であるピンクサーモンはわずか2年の一生を終えようとしている=米アラスカ州(松本紀生さん撮影)【拡大】

  • 遡上する紅ザケ。満潮に乗って海から河口へ入り込む=2011年7月12日、米アラスカ州(松本紀生さん撮影)
  • サケの皮だけを器用に剥がすヒグマ。辺りには皮を剥かれ頭をかじられた死骸が散乱する=2012年7月7日、米アラスカ州(松本紀生さん撮影)
  • 右下の赤は食べ残されたサケの赤身。若く大きなクマがこの絶好の餌場を勝ち取る=2011年7月13日、米アラスカ州(松本紀生さん撮影)
  • 米アラスカ州

 生まれた場所へ回帰するサケ。無数の流れの中からふるさとの水を嗅ぎ分け、海から河口、そしてさらに上流へ。そんな彼らの後を追いかけたある日のこと。

 全長3メートルのゴムボートに取り付けたエンジンを操り、ある小さな川をさかのぼった。川幅は10メートル前後、水深は深いところでも2メートルほどだろうか。川全体が静止してみえるほどの穏やかな流れを、コケに覆われたレインフォレストが両側から包み込む。こちらの進むスピードも、いつしか徒歩ほどのゆったりとしたペースになっていた。

 サケが還る川の水は清冽(せいれつ)だ。そこかしこで休憩する魚群が、ボートに驚き、弾(はじ)けるように散っていく。申し訳ないと思いつつも、サケだらけなのでどうしようもない。

 さらに進むにつれ、きれいだった水が黒く変わっていることに気がついた。白いボートが黒い水に浮かんでいる。どうしたことかと目をこらす。と同時に、驚きが背筋を打った。黒全体がうごめいているではないか。その正体は何とサケの大群だったのだ。

巡る命 やがて川辺の緑に

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