創業178年の米老舗宝飾品ブランド、ティファニーが初めて広告写真に同性カップルを起用し注目を集めている。世界各国で同性婚を合法化する動きが広がるなか、米国ではアパレル最大手のGAPやサングラスのレイバンなどファッションブランドを中心に同性カップルの広告起用が活発化。「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)」といった「多様な性」を支持する姿勢を打ち出すと同時に、米国内で年8300億ドル(約98兆円)に上るとも試算される巨大なLGBT市場を取り込みたいとの思惑もある。
「真の愛は多様な形態から」
「今の時代、結婚への道のりはもはや直線的ではありません。真の愛というものは、多様な形態の愛の物語から生まれるものなのです」
婚約指輪の広告写真に男性同士のカップルを起用したティファニーの北米PR部門の副社長、リンダ・バックリー氏は1月9日付の仏ファッション誌エル(電子版)で、性の多様化についてこう指摘。「わが社の婚約指輪は彼らが生活を共に創出するための物語の最初の一文であり、そうしたメッセージを今回の広告写真で知ってほしかった」と、その狙いを説明した。