東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県山元町の常磐山元自動車学校の教習生25人とアルバイト従業員の女性=当時(27)=の遺族が学校側に約19億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、仙台地裁であり、地裁は「教習所に津波が襲来する可能性を予見し、速やかに教習生らを避難させるなどの義務があった」として学校側の責任を認め、計約19億1000万円の賠償を命じた。
震災で津波犠牲者の遺族が学校側や勤め先など管理者を相手取った訴訟の1審判決は4件目で、損害賠償が認められたのは、園児5人が死亡した宮城県石巻市の日和幼稚園の訴訟に続き2件目。従業員に対する責任を認めたのは初めて。
高宮健二裁判長は、消防車両が教習所の前を走り、避難を呼び掛けていたことから「教習所に津波が襲来することを具体的に予期し得た」と指摘。「速やかに教習生らを避難させ、安全なルートを通って送迎先に送り届けるなどの安全配慮義務があった」とし、教習生らの死亡には相当な因果関係があると判断した。