イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」とみられるグループの人質となり、殺害予告の対象になったとみられる湯川遙菜(はるな)さん(42)と後藤健二さん(47)はシリアに関心を持ち、活動を続けていた。その最中に拘束されたとみられる2人。詳細な様子が分からない中、家族や知人は無事を祈り続けた。
2014年8月にイスラム国に拘束されたとされる湯川さんは「民間軍事会社」と称する「ピーエムシー」の最高経営責任者。家族によると、千葉県内の高校卒業後、実家を出た。その後結婚したが、妻を亡くし、一人暮らしだった。
ピーエムシー顧問の木本信男さん(70)に妻の死去を告げた際、湯川さんは「自分は妻も子供もいないので、仕事に命をかける」と意気込みを語っていた。
湯川さんのフェイスブックには、14年5月にシリアを訪問した際の写真が掲載されていた。「(シリアの武装組織)自由シリア軍の多くの方々にとても親切にしていただいた」と記載。家族には「シリア人の仲間に会いに行く」と告げ、消息が分からなくなった。
湯川さんとともに人質になったとみられる後藤さんはフリージャーナリスト。1996年に設立した映像通信会社「インデペンデント・プレス」のホームページでは、「困難な環境の中で暮らす子ども達にカメラを向け、世界各地を取材している」と活動を紹介している。