だが、イラクからの米軍撤収による中東での「力の空白」に乗じて台頭したイスラム国への対応を迫られたオバマ政権は昨年、イラクとシリアでの空爆を開始。欧州やアラブの有志連合と一緒にイスラム国の拠点を連日攻撃している。
地上部隊派遣には慎重
オバマ氏は「南アジアから北アフリカにかけての国々と連携し、米国を脅かすテロリストの聖域化を阻止する」としたが、空爆はイスラム国を弱体化させるには至っていない。
空爆の精度を上げるため米軍が検討している限定的な地上部隊派遣にもオバマ氏は慎重だ。
演説では「地上戦」に引きずり込まれることはないと重ねて主張し、代替策としてシリアの穏健な反体制勢力への訓練や武器供与で、イスラム国とアサド政権に対抗させようとしているが、短期で成果を出すのは困難だ。
演説後、共和党のマケイン上院軍事委員長らは声明を発表し、イスラム国が空爆開始前よりもシリアで支配地域を拡大していると指摘し、「大統領の演説は一貫した対イスラム国戦略が欠如していることの証しだ」と批判した。(ワシントン 加納宏幸/SANKEI EXPRESS)