人工孵化の稚魚、業者が養殖
三菱商事の子会社で、刺し身用マグロの取り扱い最大手の東洋冷蔵(東京)が、近大から全長5センチ程度のクロマグロの稚魚を仕入れ、和歌山県串本町や長崎県五島市のいけすで2~3年かけて養殖。40キロ前後の成魚に育て、あきんどスシローに販売する。
東洋冷蔵は養殖したクロマグロを、独自ブランド「ツナプリンセス」として、スシローのほか鮮魚の専門店などに2014~15年度の2年間で約800トン出荷する計画だ。
スシローは22日現在で、全国383店舗を展開。産地にこだわったすしネタの提供に注力している。
≪販路を拡大、資源保護しつつ安定供給≫
回転ずしチェーンのスシローがすしネタとして、近畿大が卵の孵化を手掛けた養殖クロマグロを取り扱うことで、最先端の養殖技術がつまったマグロが、消費者にとって身近な食材となりそうだ。枯渇が懸念される天然マグロの数を回復させながら、安定供給を目指す動きも進んでいる。