単独史上最多の33度目の優勝を決め、報道陣に囲まれて支度部屋に向かう白鵬。大記録の感想は「千秋楽にならないと分からない」と答えた=2015年1月23日、東京都墨田区・両国国技館(共同)【拡大】
「大事な一番でしたから。取り直しでの優勝33回。楽ではなかった」
支度部屋でも、勝利の余韻に浸ることができずにいた。
昨年末、何かとかわいがってくれ、「角界の父」と慕った大鵬の納谷幸喜氏の三回忌法要2日前に墓参りした。直前の九州場所で敬愛する“師”に並ぶ32度目の優勝を果たし「恩返しができた」と涙を流したが、心境に変化が訪れた。
「相撲界では勝つこと、超えることが本当の恩返し。初場所で決めたい」
強い心成長した「少年」
苦しんだが、土俵際の窮地を救ったのは記録更新にかける思い。技よりも体よりも、際立ったのは“心”の強さだった。
最近の白鵬は口癖のように「62キロの小さな少年がここまで来られるとは誰も想像しなかったと思う」と繰り返す。辛抱し、希望を捨てなかったのが相撲人生の出発点だった。