単独史上最多の33度目の優勝を決め、報道陣に囲まれて支度部屋に向かう白鵬。大記録の感想は「千秋楽にならないと分からない」と答えた=2015年1月23日、東京都墨田区・両国国技館(共同)【拡大】
2000年10月に来日し、相撲部屋が決まるまで大阪府の実業団に身を預けた。一緒に来た仲間の受け入れ先が決まる中、色白でやせっぽちだった15歳の少年は取り残された。2カ月が経過して帰国が翌日に迫り、航空券を渡されると「帰りたくない」と泣き叫び、大相撲への憧れを訴えた。
長身を買って弟子にした宮城野親方(元幕内竹葉山)も大成を見込んでいなかった。最初の3カ月は食べて寝るだけ。どんぶり飯3杯に牛乳5リットルで無理やり体を大きくした。稽古場では何十番取っても負けに負け、ふすまの向こうから悔し泣きが聞こえた。だが、決して「帰りたい」という弱音は吐かなかった。
記録更新に期待
もう追うべき背中はどこにもない。日本相撲協会の北の湖理事長は「白鵬はこれで終わる横綱ではない。優勝40回を目標に置けばいいし、可能性もある」と話す。