山梨県知事選で初当選を確実にし、支持者から花束を受け取る後藤斎(ひとし)氏(左)=2015年1月25日、山梨県甲府市(牧井正昭撮影)【拡大】
山本氏は「私どもが責任を持って、政権与党として、地方創生の象徴になるように全力を挙げる」と北橋氏の勝利をたたえ、2人はガッチリ握手を交わした。山本氏は安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の“生みの親”とされる。そんな山本氏と北橋氏が居並ぶ光景は、「十年一昔」という言葉がよく似合う。
北橋氏は民主党議員時代、岡田克也代表(61)の側近として知られ、北九州市長選に初当選した2007年は民主党や社民党などの推薦を得た。11年の前回は政党推薦を受けなかった。今回は自民党単独推薦で臨み、党総裁である安倍首相(60)が直々に党本部で北橋氏に推薦証を手渡した。
実は、自民党は独自候補の擁立を模索したが、「現職の強み」を覆すことができる候補者を見いだすことができなかった。北橋氏も中央政界で自民党「一強」の中、自民党とのパイプを強化する必要性に迫られていた。従来の支持者の反発は覚悟の上での「自民党推薦」だった。