山梨県知事選で初当選を確実にし、支持者から花束を受け取る後藤斎(ひとし)氏(左)=2015年1月25日、山梨県甲府市(牧井正昭撮影)【拡大】
後藤氏は、自民、民主、公明の3党の推薦を得て山梨県知事選に初当選したが、勝利をもぎ取るために自民党の推薦を欲した。自民党は独自候補の擁立を模索し、元自民党衆院議員の保坂武(たけし)甲斐市長(69)、無所属の長崎幸太郎衆院議員(46)などが浮上したが、いずれも不発に終わった。
知事選敗北で守りに
結局、自民党が北橋、後藤両氏を推薦したのは苦肉の策だったに違いない。両氏が自民党にすり寄った側面があるのは否めないが、自民党も「勝てる候補」なら、「元民主」にこだわらなかった。昨年7月の滋賀県知事選、11月の沖縄県知事選と節目の知事選で自民党推薦候補が敗北し、自民党を守りに走らせているといえる。
さらに、同じ1月25日投開票の甲府市長選で、自民党は不戦敗を余儀なくされた。自民党は候補を擁立できず、推薦も出さなかった。当選したのは、これまた「元民主党」の県議で、山梨は知事も県都の首長もそろって民主党系になった。