「あまりにも無念の死を前に言葉がみつかりません。今はただ悲しみに涙するだけです」。後藤さんの母、石堂(いしどう)順子さん(78)も都内の自宅で会見。事前に用意したコメントを読み上げる形で「残念ではございますが、健二は旅立ってしまいました」と話すと声を震わせた。
「胸張り裂ける思い」
一方、湯川遥菜さんの父、正一さん(74)も千葉市内の自宅で報道各社の代表取材に応じた。正一さんは、あふれる涙をハンカチで何度もぬぐいながら、「息子の救出に向かってくれたのにこういう事態になり、胸が張り裂ける思い。後藤さんのご家族に対して申し訳ない」と話した。
≪知人ら「全て?であってほしい」≫
後藤健二さんは日本の子供たちに、紛争地域の子供らの姿を紹介してきた。こうした講演などを通じて交流があった人たちも、ショックを隠せなかった。
5年ほど前から地域の子供が対象の講座などを依頼していた千葉県船橋市の葛飾公民館職員、奥村正明さん(51)は「ショックだ。(拘束前の映像で)後藤さんは『自分がどうなろうと、シリア人を恨まないで』と言っていたが、怒りがゼロということにはならない」と話した。