世界各地でテロ事件が相次ぎ、報道カメラマンの横田徹さん(43)は「戦場取材がやりにくい環境になっている」と漏らす。取材でイスラム国支配地域に入り、あわや拘束されそうになった経験もある。イスラム国への取材については「あまりに無謀でリスクが高い。今は行こうと思わない」というのが本心だ。イスラム国で拘束を免れたことを「運が良かっただけ」と振り返る横田さんは、取材現場の安全管理の徹底を強調する。
「フリーランス同士、ライバル関係だとしても、生き残るために情報交換し協力すべきだ。安全管理に完璧はないが、十分気をつけた方がいい」
昨年、シリア内戦の激戦地アレッポに入ったフリージャーナリスト、西谷文和さん(54)は「テロに屈しないためには、取材や人道支援を続けなくてはならない。何の報道もなければ、難民はどうなるのか」とし、紛争地域の実情を伝える意義を訴えた。