一番奥に展示された「Self-image」(2013年)は、限定700部の写真集として発行されたが、展示公開するのは初めて。たばこを吸う姿、ヌード、涙を流す表情…。モノクロで撮られたセルフポートレートは、どこか私小説めいた雰囲気も醸し出している。
蜷川によると、セルフポートレートの撮影は、「さくらん」(2007年)、「ヘルタースケルター」(2012年)の2つの映画を制作していた時期に重なるという。「(映画で)200人もの人と一緒に仕事をしていると、シンプルなところに立ち返りたくなる」「(映画とは)真逆のことをしてバランスをとっているのかもしれない」と自己分析する。
強烈な色彩感覚という武器で、女性カメラマンへの評価の壁を打ち破ってきた蜷川だが、駆け抜けてきた20年間を振り返りながらこう話す。