しかし、この時代、フランスでは、より“フランスらしい様式”を求める動きが出ていた。それが、古代ギリシャ・ローマ、18世紀の新古典主義から題材を引用した「古典主義」のアール・デコだったという。
第一次世界大戦の影響で約10年間遅れて、1925年にパリで開かれた現代・装飾美術・産業美術国際博覧会(通称、アール・デコ博覧会)では、そのフランス新様式のお披露目がなされる。とくに装飾美術家協会のパビリオン「フランス大使館」の計画で、中心的な役割を果たしたのがアンリ・ラパンだった。
ライオンの頭から水、鉢植え…
ラパンは、フランス大使館の大サロンなどで、花をあしらった家具や壁画など18世紀の新古典主義を引用した装飾を展開した。
ラパンは1933年、東京都庭園美術館の前身となった旧朝香宮邸の内装デザインも担当し、古典主義のアール・デコ様式を駆使した。
例えば、大客室壁画には、ライオンの頭から流れる水や花たづな、鉢植えの花などが描かれている。これらは、18世紀新古典主義からの引用だという。