関東地方出身の私にとって、豆まきといえば、大本山である千葉県成田市の成田山新勝寺で、横綱らがまく豆を素手でつかもうと一生懸命腕を伸ばす人々の様子が記憶にある。しかし、目の前の光景はちがうのだ。ミーハー心だけではない。もらって帰る物はしっかりもらって帰る。大阪の人々の周到な準備ぶりに驚嘆した。そういえば、行きの電車の中で「あんたの分も豆もらってきたるわ」と話している女性がいたっけ。私にできるだろうか…。大阪に嫁いで4年、まだまだなじめていないことに気づき、切なくなった。異国からやってきて、日本人として生きたエリーをもっと見習わなくては。落花生の香りがほのかに漂う境内で、私は決意を新たにした。(佐々木詩/SANKEI EXPRESS)