ティトン連山から振り下ろされる冷たい風が、くぼ地となるジャクソンホールに停滞し、辺り一帯は冷凍庫のような冷気と濃い霧に包まれる。霧はたいてい早朝から昼ぐらいまでに抜けるが、一日中冷気の霧に包まれる日もある。
寒さだけなら山々と変わらない。しかし、食料となる草は冬でも豊富にあるため、冬をたくましく生き抜く動物たちの姿を間近で見ることができるのだ。
≪濃霧が生む偶然の楽しみ≫
ロサンゼルスから空路で約2時間。機内の窓から雪をかぶった険しいティトン連山が見えてきた。飛行機はまるで遊覧飛行のように、連山の周囲を何度も旋回している。
美しい景色を見せるためのサービスかと思いきや、機内アナウンスが流れた。視界不良のためジャクソンホール空港に着陸ができないとのこと。青空に山々がくっきりと見えているのになぜだろう。ふと眼下を見ると麓に厚い雲がたまっている。空港はこの雲の真下にあるようだ。