欠かせぬ「人的」
日本に対外情報機関がないことは、外交・安全保障上の欠陥と指摘されてきた。閉鎖的な北朝鮮や構成が解明しにくい国際テロ組織の動向把握には、特定の人物に接触し、人的なネットワークを通じた内部情報の入手が欠かせない。いわゆる「ヒューミント」(人的情報)だ。
イスラム国の事件を受けて、対外情報機関の創設に向けた動きも見られる。元防衛相の石破(いしば)茂地方創生担当相(58)は「情報収集する組織をきちんとつくることに取り組むかどうかだ。早急に詰めないといけない」と語り、検討を急ぐべきだとの考えを示した。また、自民党のインテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチームは10日の幹部会で、創設に向け、有識者からヒアリングを始める方針を決定した。