安倍晋三首相(60)は24日、第3次内閣を発足させ、憲法改正を視野に入れた長期安定政権に向け、再び歩みを進める。衆院選で与党を圧勝に導き、順風満帆な再出発を切ったかに見える首相だが、眼前には国内外の政治課題が山積している。首相は前途多難の荒波にどう立ち向かうのか。
原発再稼働に批判
「勝利の喜びに浸るのは今日で過去のものとしなければならない。道は平坦(へいたん)ではない。困難な課題も待っている。しかし、力を合わせれば必ず乗り越えていくことができる」
衆院本会議の首相指名選挙の前に開かれた自民党両院議員総会。首相は衆院選圧勝の余韻を振り払い、挙党一致で事に臨むよう所属議員に呼びかけた。
首相が直面する最大の壁は、来年4月の統一地方選後に訪れる。集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制の国会審議だ。首相は今年7月1日の閣議決定で憲法解釈の見直しに踏み切ったが、自衛隊の行動を定める自衛隊法や朝鮮半島有事を想定した周辺事態法など関連法を改正しなければ、自衛隊は動けず実効性を伴わない。