外交でも課題山積
首相が得意とする外交も一筋縄ではいかない。北朝鮮による拉致被害者らの再調査については「年内」(菅義偉(すが・よしひで)官房長官)としてきた北朝鮮側の報告時期は見通しが立っていない。このまま北朝鮮側が交渉を引き延ばせば、政権へのダメージが生じかねない。
今年11月に中国の習近平国家主席(61)とは首脳会談を実現させたものの、対中関係は微妙なままだ。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(62)は対日批判を繰り返し、関係改善にはなお紆余(うよ)曲折が予想される。ウクライナ情勢をめぐり、日米欧が経済制裁を発動しているロシアとの北方領土返還交渉も課題として残っている。
こうした難問山積の情勢を踏まえ、首相は円安対策を柱とした経済対策や2015年度予算案の編成を円滑に進めるため、全閣僚を再任するつもりだった。だが、9月の内閣改造で防衛相兼安全保障法制担当相に起用した江渡聡徳(えと・あきのり)氏(59)の中谷元(なかたに・げん)・元防衛庁長官(57)への交代を余儀なくされた。