自民、公明両党は昨年4月、特定秘密保護法をめぐり、対外情報機関の創設に向けて協議を進めることを確認している。だが、これまで事あるごとに対外情報機関の新設が浮上してきたが、実現には至っていない。
「情報」は日本の外交力と防衛力を補い、国際社会では、それを持つ者と、持たざる者の差は歴然としている。日本独自の「情報」を持つことができれば、相手の情報機関と交わす情報の「質」も向上する効果が期待できる。
首相は「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げ、積極的な首脳外交を展開してきた。ヨルダンやトルコの首脳と緊密な関係を築き、イスラム国への対処では「普通では考えられない」(首相周辺)ほどの厚遇を受けてきたとされる。これは“安倍外交”の成果と評価するのが常識的だ。
だが、国際テロの脅威は時も場所も問わない。相手の「好意」や「友情」だけに頼り切るのは現実離れしている。やはり日本独自の情報が必要なのである。(峯匡孝/SANKEI EXPRESS)