ミンスクでの16時間に及んだ協議を終えたメルケル氏は12日、合意は「わずかな希望」と述べ、合意事項は「実際の行動」による裏付けが必要だと慎重な姿勢を崩さなかった。
親露派歯止め狙う
今回の合意は「ウクライナの主権と領土保全を尊重する」としながら、ロシアが併合したクリミア半島には触れておらず、独仏の真の狙いは「ロシアに支えられた親露派の進撃に歯止めをかけ、ウクライナ東部の紛争を『凍結』すること」(英紙フィナンシャル・タイムズ)との見方が欧米メディアに出ている。
ロシアは欧米による厳しい経済制裁と、主要収入源である原油の価格急落のダブルパンチで経済苦境に陥った。ウクライナでの軍事行動拡大は大きな財政負担で、紛争凍結はプーチン政権にとっても望ましいはずだ、とのメルケル氏の読みがあるようだ。
ウクライナ紛争の拡大を阻止した上で、ロシアに対する経済制裁圧力を維持し、辛抱強く、時間をかけてロシアの軟化を促す。これがメルケル氏の描く戦略とみられる。(共同/SANKEI EXPRESS)