【続・灰色の記憶覚書(メモ)】
ある舞踊家から電子手紙が届いたので開いてみると、明らかに異国の町を見下ろす断崖絶壁からの広大な光景、その最も高い岩の上に立ってポーズを取る男あり。これこそ近藤良平である。現在彼は自身が率いるコンドルズの公演のため、南アフリカにおり、写真はケープタウンの山の上だという。
全くこの人の行動範囲はいつでも規格外だ。客席から彼の跳躍に恋をして15年ほどたつが、今も彼は大空を舞っている。彼と出会わなければ、私が横浜ダンスコレクションでトークイベントに呼ばれたり、トヨタのコレオグラフィー・アワードの審査員に呼ばれることなどなかったかもしれない。
私と「ダンス」の格闘ヒストリー
私のダンス原体験は、記憶を掘り下げてゆけば「サウンド・オブ・ミュージック」「ウエストサイド物語」といったミュージカル映画の中で軽やかに舞う俳優たちに魅せられていたようなことにあるのだろうけれど、原体験というにはふさわしくない。