ZEROGRAを商品化して5年。吉田部長は「鯖江(福井県鯖江市)という眼鏡産業の一大集積拠点がなかったら、おそらくこの商品は作り出せなかったでしょう」と明かす。シンプルで超軽量なこの商品を完成させるには、高度な特殊技術をもつ多くの熟練職人の手を経る必要があるためだ。
シリーズ商品によって多少の差異はあるものの、一般的には軽くて強度や復元性に優れるβ(ベータ)チタンと呼ばれる極薄の特殊金属をレーザーで切断。これを折り曲げて柔軟性のある独特の形をつくり上げる。最終のメッキや塗装、研磨などを含めて、専門技術を極めたスペシャリストが分業する形態を取り、一本のZEROGRA製造に携わる人数は約100人に上るといわれる。日本の眼鏡生産量の9割以上を占め、メガネトップも生産拠点を置く鯖江には、工程や分野別に眼鏡関連の専門的な工場が数多く立地しており、ZEROGRAの実現に大きな役割を果たした。