モンゴルのチメド・サイハンビレグ首相(左)との会談に臨む安倍晋三(しんぞう)首相=2015年2月10日、首相官邸(酒巻俊介撮影)【拡大】
政府高官は「各国の首脳と一度日本で会っていると、相手国を訪問したときの反応が全然違う」と語る。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件が発生した際に、安倍首相がトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(60)に急遽(きゅうきょ)電話で協力を要請できたのも、首脳間の相互訪問の積み重ねで個人的な関係を深めていたのが大きかった。
今年はすでに中東4カ国・地域を訪問している安倍首相。さらに外遊先の“新規開拓”をしたいところだが、首相周辺は「今年はそんなに新たな国を訪問する機会がない」と明かす。
日本の首相が一定の時間をかけて外遊できる時期は、国会の関係上、年末年始や5月の大型連休、お盆前後ぐらいに限られる。今年は、今国会に提出予定の安全保障関連法案の審議が長引く見通しな上、その後には自民党総裁選も控えており、夏の長期外遊は難しい情勢だ。
5月の大型連休は訪米の日程が固まっている。先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)やアジア太平洋経済協力会議(APEC)など首相が出席する定番の国際会議は、いずれも安倍首相がすでに訪問した国ばかりとなっている。