東日本大震災から1カ月後の2011年4月11日に鶴岡八幡宮で行われた三宗教合同の追悼・復興祈願祭は、翌年から3月11日になった。会場も第2回は北鎌倉の建長寺、その翌年は若宮大路のカトリック雪ノ下教会と神道、仏教、キリスト教を一巡して、昨年は鶴岡八幡宮に戻った。今年は北鎌倉の円覚寺で開かれる予定だ。
人の少ない時間に写真を撮ろうと思い、JR北鎌倉駅に近い瑞鹿山円覚寺を訪れたのは2月23日(月)の夕方だった。すでに閉門していたので、石段下から総門を仰ぎ見ることしかできなかったが、それでも十分、身の引き締まる思いである=写真。
冬の夕日が石段の周囲の木立を柔らかく照らす。JRの線路に沿って、門前の道を通り過ぎる人たちが、石段下でいったん足を止め、閉ざされた総門に向かって両手を合わせていく。さりげない夕暮れの光景の中に、宗教が生活に根付いている様子が伝わってくる。