WHITE ASHのニューアルバムは、シーンの流行から一線を画す、クールでダークな、そしてミディアムテンポ曲の印象が強い作品に仕上がっている。
自分流のかっこよさ
アルバムは1曲目から古いヒップホップのような重厚なイントロのビートが特徴的な「Orpheus」で始まる。さらにライブでも盛り上がりそうな曲もあるが、高揚感はありつつもお祭り騒ぎではないクールな雰囲気がしっかりと残る。ソングライターであるのび太は「周りとか関係なく、自分が今本当にかっこいいと思うものを作りたいと思っていました」と語る。
今作はレコーディング時にバンドでセッションをして録音するのではなく、楽器ごとに慎重に音を吟味して録音して作り上げていったという。確かにライブで演奏しているシーンがパッと思い浮かぶよりも、細部にまでこだわった独特の音世界や腰の据わったグルーヴをじっくりと感じたいと思うような曲が印象に残る。
独自の音楽的スタンスとセンスが、「THE DARK BLACK GROOVE」となって完成した。(音楽評論家 藤田琢己/SANKEI EXPRESS)