「デビューしてからボイストレーニングを受けたことはないですね。アーティストならば自分の内側を純粋に出して、思いのままに歌うことを意識していたいし、私は歌うことよりもソングライターとして曲を作る方が好きだったから、地声だと出ないメロディーラインをウィスパー(ささやき声)で歌っていったら、すごく個性的になっていったんですよ」
しかし、39歳の頃から身体のトレーニングとともに、ボイストレーニングも行うようになった。
「顔のたるみと同じで声帯の筋肉も垂れたりして、歳を取るわけで。歌う時には内臓や骨も全部を楽器として使うから、ビンテージの楽器になってきた身体を、いい音を鳴らすために手入れをするという感じですね」
そのせいか、ここ数年のライブでミドルボイスが出るようになり、表現の幅が広がってきた。あまり知られていないかもしれないが、Charaはコンピューターやベース、ギター、ドラム、キーボードなどを駆使してデモ音源から作るマルチミュージシャン。今回のアルバム制作もそこに気鋭のミュージシャンたちを迎えて、楽しんだようだ。