私自身はサルの研究をしていないが、生物学のすべてが進化論の研究とも言うことができる。そして、進化論がまだ発展段階にあるからこそ、空想の余地が大きくて楽しく、その人間への敷衍(ふえん)は社会的影響が大きいから議論の対象になる。
サルの行動からどこまで人間が理解できるのかはさておいて、サルの子供は人間の子供とそっくりだし、サルが示す喜怒哀楽は人間のパロディーに見えることは確かだ。サルを見て人を知る、「サルのふり見てわがふり直せ」ということだろうか。(東京大学名誉教授 唐木英明、写真も/構成:文化部 平沢裕子(SANKEI EXPRESS)
■からき・ひであき 1941年、東京都生まれ。73歳。東大名誉教授。倉敷芸術科学大学学長顧問。公益財団法人「食の安全・安心財団」理事長。著書に『不安の構造』など。