≪悲しみ胸に 大切な人を思う≫
東日本大震災の発生から4年を迎えた11日。「あの日」と同じく雪が舞った被災地では、早朝から大切な人を失った遺族らが祈りをささげ、悲しみを胸に生きていく決意を新たにした。
仙台市若林区荒浜では、慰霊碑に刻まれた犠牲者の名前を手で触れる人の姿があった。会社員、伊藤麻紀子さん(39)は亡くなった友人の今野美智子さん=当時(34)=に「1つしか年が違わなかったのに、まだ若いままでいいわね」と冗談交じりに語り掛けた。この4年間を「長かった気もするし、昨日のことのような気もする」と振り返った。
約1600人が犠牲になった岩手県陸前高田市の女性(68)は、津波で亡くなった母=当時(96)=と兄夫婦の墓前に、キクやサクラの枝を供え、落ち葉をほうきで掃いた。「誰かがお参りに来てくれるかもしれないから」。震災当初は涙が出なかった。「時間がたった今の方がつらいね」としのんだ。
雪がちらつく仙台市太白区の仮設団地で「4年前と同じよう」と無職、内海さよ子さん(83)はつぶやいた。仮設暮らしが続き「友達がいなくて寂しい」。4月には災害公営住宅に引っ越す予定だが「楽しみはなにもない」と諦め顔だった。