大阪市議会本会議で「大阪都構想」の協定書が可決、承認され、明るい表情で議場を出る橋下(はしもと)徹市長=2015年3月13日夜、大阪市北区(榎本雅弘撮影)【拡大】
都構想実現に向けた政治エネルギーを生み出すために維新を立ち上げ、都構想を公約に掲げた11年の知事、市長選のダブル選で圧勝。その勢いで旧日本(にっぽん)維新の会(維新の党)を旗揚げして公明党と選挙協力を結び、見返りとして都構想への協力をとりつけた。
法定協で議論の進め方をめぐり公明と決裂してからは、力業の連続だった。協定書作りがストップした法定協からの野党排除を公約に掲げて昨年3月に出直し市長選を強行。過去最低の投票率となったが意に介さず、維新のみの法定協で協定書を完成させた。
昨年10月に府市両議会で協定書議案がいったん否決されても、「議会が否決するなんておこがましい」と再提案を表明。間近に控えていた衆院選で公明候補の刺客として出馬する可能性に言及して公明を揺さぶり、住民投票実施に賛成する方向へかじをきらせた。
かつて都構想への道のりを「階段」と例えた橋下氏にとって、目前に残るのは住民投票の1段のみ。1月下旬、大阪市内の街頭演説で満面の笑みをみせた。
「やっと住民投票。去年は『大阪維新の会は終わり』『橋下も終わり』と言われたが、そうは簡単には終わりませんよ」(SANKEI EXPRESS)