3月15日、全人代の閉幕直後に言葉を交わす中国の習近平国家主席(左)と李克強首相。政権のトップ2は、反腐敗運動の思わぬ副作用に頭を悩ましている=2015年、中国・首都北京市西城区の人民大会堂(AP)【拡大】
反腐敗運動の「副作用」
「反腐敗の圧力が大きい中で、一部の公務員は仕事の原動力を失っている」。全人代の広東省のある代表は新京報にこう語っている。現実的な問題として、通常は1日で得られる許認可審査に、30日もかかってしまう現象が起きうるのだという。
こうした行為が全国に広がれば、経済成長の減速に拍車をかける恐れもある。
反腐敗運動が生んだ“副作用”にどう対処するのか。習政権にとって頭の痛い問題だが、司法も怠慢公務員の排斥に向け援護射撃を始めたようだ。
12日に中国の最高人民検察院(最高検)が発表した活動報告は、「人民から強烈に批判されているサボタージュ官僚や職権乱用の問題について、積極的に対応した」と強調。こうした「職を汚す」犯罪については昨年1年間に前年比6.1%増となる1万3864人を立件したという。(国際アナリスト EX/SANKEI EXPRESS)