若い頃は海外のデザインに惹かれもしたし、時代に合うものをつくることに熱中した。もちろんそれは興味深いし、挑戦したいと思うけれども、いつしか、使うためのデザインが大切だと思うようになった。使うために生まれるデザインは、普遍的で色褪せないからだ。斬新な形ができたから満足するのではなく、使って機能を検証し、要らないものを外し、足りないものを加える。そのようなものづくりの方が、僕には合っているようだ。本当にしっくりくる。使うために生まれたデザインは色褪せることがなく、民衆のためにつくられた愛情あふれる器こそが、民芸の魂を継承するものなのだと感じた。(写真・文:俳優・クリエイター、京都国立博物館文化大使 井浦新(いうら・あらた)/SANKEI EXPRESS)