日本を代表する古典芸能である文楽をより多くの人に見てもらい、価値を再認識してもらおうと始まった「にっぽん文楽プロジェクト」。日本財団の笹川陽平会長が発案し、1億円以上を投資した壮大なプロジェクトが19日、六本木ヒルズアリーナ(東京都港区)での公演を皮切りにスタートした。各回限定300席のチケットを手にした観客は、野外に出現したヒノキ造りの本格的な文楽舞台での公演を、飲食自由という気軽な雰囲気の中で楽しんだ。
舞台は、銘木の産地である奈良・吉野から切り出したヒノキをふんだんに使った、幅19.7メートル、高さ6.7メートルの本格的な文楽専用。太夫座、幔幕(まんまく)、櫓(やぐら)、客席も徹底的に本物にこだわり、すべてがこのプロジェクトのために造られた。設計を担当した田野倉設計事務所の田野倉徹也氏は、能舞台を専門に活躍している若手の設計士だ。唐破風の屋根のデザインにも凝り観客を驚かせたが、「屋外での公演スタイルの文楽舞台というオーダーに、当時の文献がほとんど残っておらず設計に苦労した」と話す。