岩手県上閉伊郡大槌町で行われた防災訓練で、高台に避難する参加者ら=2015年3月8日(共同)【拡大】
学生たちは日本人のそうした団体行動を支えている精神面とその形成過程に大きな関心を持ち、教授たちにも質問し、日本の歴史や、社会、文化に関する本をよく読んでいた。そして、被災地の日本人に同情し、震災によって沢山の死者が出たことを悼んでくれた。その日本人と中国人がなぜ相互の歴史認識で一致できないかは不幸であると多くの学生たちが語っていた。
この反応は上海から移動した福建省のアモイで議論した大学院生たちも同じであった。このことからいえるのは、中国でも日本でも学生たちは、中央政府による政治・経済の駆け引きではなく、個人の幸せを日常生活の中心として考えるという点で共通しているということだ。なかでも、中国で東日本大震災のような災害が起きれば、人々は冷静に対応できず、略奪さえ起こりかねないと言っていたのは印象的であった。