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預言者風刺画は弱者への蔑み 渡辺武達 (1/3ページ)

2015.1.21 10:20

イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画が掲載された「シャルリー・エブド」を購入する男性=2015年1月14日、フランス西部レンヌ(AP)

イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画が掲載された「シャルリー・エブド」を購入する男性=2015年1月14日、フランス西部レンヌ(AP)【拡大】

  • 【仏紙銃撃テロ】週刊紙銃撃事件の容疑者の足取り=2015年1月7~1月9日、フランス
  • 【仏紙銃撃テロ】4容疑者の関係図=2015年1月7日~1月9日、フランス
  • 【仏紙銃撃テロ】仏週刊紙銃撃事件などの経過=2015年1月7日~9日、フランス
  • フランス・エヌ県、セーヌエマルヌ県

 【メディアと社会】

 イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を掲載してきたフランスの週刊紙「シャルリー・エブド」のパリの本社で起きた銃撃テロ事件は、メディアの表現の自由がどこまで許されるのかという世界的な議論を巻き起こした。日本でも、事件後に発行された最新号のムハンマドの風刺画を転載するかどうかの対応が、新聞社によって分かれた。

 現地のフランスでは政府と民衆が一体となって全土で約370万人が参加した大抗議デモが行われ、日本を含む自由主義諸国政府も、反テロリズムで足並みをそろえている。一方、イスラム諸国やイスラム教指導者らはテロに反対したながらも、ムハンマドを描くことは教義で許されないとしてシャルリーとその賛同者を非難している。

 自由と責任あってこそ

 この問題は、健全な人間社会を維持していく上で情報環境の確保が不可欠であり、そのためには「自由で責任あるメディア」の確立が欠かせないという言論・表現の根本に関わる。にもかかわらず、議論の多くが全体構造の一部だけを取り上げ、これまでと同じ議論が繰り返されているように思える。

メディアの「自由」と「責任」はどのように調整されるべきか

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