2005年9月にも、デンマークの日刊紙「ユランズ・ポステン」が、ムハンマドの風刺画12枚を掲載。デンマークの在外公館などにに猛烈な抗議活動が巻き起こった。この事件をめぐり、翌年春にデンマークの大学などが歴史の教訓とするため、3日間の国際会議を開催し、筆者はアジアヨーロッパ財団に依頼されて出席し、講演した。
筆者はそこで、メディアの「自由」と「責任」はどのように調整されるべきかについて述べ、それは会議による提言の一つ「自由で責任あるメディアの確立」「メディアの積極的公正中立主義」として盛り込まれた(拙著『メディアリテラシーとデモクラシー』参照)。
当時のデンマークは北欧諸国のなかで、もっとも熱心に米軍のイラクでの活動を支持し、軍隊も送り込んでいた。掲載された風刺画を描いた作家も、イスラム批判の急先鋒であった。
一方、シャルリー・エブドは1960年代後半に世界中で吹き荒れた学生運動を背景に誕生しており、目の前の権威を倒すことに重きを置いていたという。ところが、今では「面白ければ、売れれば…」という傾向が強くなっていると、在仏の知人たちが伝えてきている。